猛毒蟻(ヒアリ)
第3話
恐ろしい事件は、金城埠頭のコンテナ基地で発生した。

この時、きよひこの家の新築工事を請け負っている建設会社の作業員さんたち30人がコンテナの基地に来ていた。

作業員さんたちは、台湾から運ばれて来た建築用の木材の運びだし作業をしていた。


その時であった。

木材にコンポウされていたシートに問題のヒアリがうじゃうじゃと這っていたのを作業員さんたちが発見した。

恐ろしい事件は、その時に発生した。

「あああああああああ!!助けてくれ!!」
「どうしたのだ一体!!ウワァァァァァァァァ!!」

作業員さん4人が、シートの上で這っていたヒアリの大群に襲われた…

ヒアリの大群は、少なくとも4000〜5000匹いたと思う。

ヒアリの大群は、周囲の人たちが殺虫剤を散布して撃退した。

ヒアリの大群に襲われた作業員さん4人のうちひとりがアナフィラキシーショックの症状で突然意識を失ったあと呼吸が停止した。

「おーい!!はやくしろ!!」
「急いで電気ショックを与える機械を持ってこい!!」

コンテナの基地は、恐ろしい地獄と化した。

(ウーウーウーウーウーウーウー!!)

事件現場の金城埠頭のコンテナ基地の敷地に、名古屋市の消防本部の車両と愛知県警の車両合計40台が強烈なサイレンを鳴らして入った。

事態は、さらに緊迫した。

この日のテレビ番組は全局休止で緊急報道特番が放送された。

名古屋市の金城埠頭で台湾船籍のタンカーから下ろされた木材にコンポウされていたシートの中に、少なくとも4000匹前後のヒアリが潜んでいたのを近くにいた作業員さんたちが発見した…

埠頭で作業をしていた4人の作業員の男性がヒアリの大群に襲われた…

このうち、男性作業員さんひとりが死亡した…

政府は、日本に入ってくる外国籍のタンカーのうち、台湾と中国とフィリピンとラテンアメリカ地域の船籍を対象にリンケンを実施すると発表した…

この時、さらに緊迫した空気が世界中に拡散した。

そして、夕方4時53分頃のことであった。

この時、知多半島沖を航行していた台湾船籍のタンカーの周囲に、海上自衛隊の潜水艦6隻と横須賀の在日アメリカ海軍の原子力潜水艦7隻が急浮上して、タンカーを取り囲んだ。

さらにその上に、海上保安庁の巡視艇がより強烈なサイレンを鳴らしてやって来た。

巡視艇のスピーカから『コラー!!(台湾船籍のタンカー)止まれ!!』と怒鳴り声が響いた。

そして、タンカーの上空に小牧の陸上自衛隊の輸送ヘリコプター8機が停泊した。

ヘリコプターから甲板に向けてロープが吊り下げられたあと、ヘリコプターの中から在日アメリカ軍横田基地(東京都)の兵士たちがするするすると降りた。

その後、リンケンが開始された。

兵士たちは、持っていた自動小銃を発砲しながらタンカーの中にある格納庫へ向かった。

リンケンの結果、タンカーに積まれていた荷物の中に少なくとも2000匹前後のヒアリが潜んでいたことが明らかになった。

このあと、タンカーは積荷ごと没収された。

リンケンは、名古屋の他にも中国や台湾と定期の貨物航路を結んでいる日本全国の重要港沖でも強行された。

これにより、日本近海の海上の物流網が完全にストップした。

今回の事件で、きよひこの家の新築工事もストップした。

このあと、恐ろしい悲劇の第2の幕があがった。
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