あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

弥生と理久の幸せ

「これから先、自分だけが幸せになるなんて申し訳ないよね。後々、あんな旦那だってわかるより、早い方が……今ならまだ……」


急にそんな思いが湧いた。


奥さんにとって、知らない方が幸せなの?


おせっかいになるのかな?


ううん、あいつはこれからもきっと遊び続ける。


家族を裏切って、浮気を繰り返す。


だったら奥さんと子どもにとっての新しい道、そっちに向かわせてあげた方が幸せだよね。


それに、あいつも痛い目に会わないと、いつか何かの犯罪に巻き込まれないとも限らない。


違う保育園で働き始めた時、私はあいつとの子どもを身ごもったことを知った。


ずっとずっと悩み続けて、でも、私は子どもを諦めた。


本当に苦しんで、泣き続けて。


奥さんに申し訳なくて、自分を責めた。


だけど、気がついたら、あいつの家族のために何かしたいと思うようになった。


理久先生にいろいろ相談して、結局、園長に一緒に話した。


可哀想な気もしたけど、全部あいつのため、あいつの家族のためと……そう自分に言い聞かせた。
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