あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~
出産を無事に終え、しばらくして私は保育士として働くべく保育園を探した。


マンションの近くにある小規模保育園に事情を話すと、特別に我が子も入園させてくれることになり、今はすぐ側で見守ることができている。


この状況には本当に感謝してる。


「ママ~」


「お腹空いたの?」


私に駆け寄り可愛く言ったのは、一堂 雪都(いちどう ゆきと)、2歳。


今日は保育園はお休み、2人きりで過ごす公園。


広い原っぱにレジャーシートを敷いて座った。


「お弁当食べようか」


「うん」


「雪都の好きなタコさんウインナー、玉子焼きに、ママ手作りの美味しいミートボールだよ」


「わ~い! ミートボール大好き」


元気よく答える雪都は、本当にあの人によく似てる。


美しい顔立ちをそのまま可愛らしくしたような……


この子のパパは紛れもなく「九条 慶都」さんなんだ。
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