雨上がり、また想いだせるように。


受験生だった私はいつものように勉強で分からないところをお姉ちゃんに聞こうとしていた。


お姉ちゃんと同じ学校にどうしても入りたかった私は必死に勉強をしていた。でも、何回模試を受けても結果は同じ『E判定』。


もうダメだと心が折れかけていたとき、



「私が教えよっか?」



お姉ちゃんは、またもや私のことを元気づけながらそう言ってくれた。


お姉ちゃんの教え方はとても分かりやすく、そして出来ない問題が出来るようになると褒めてくれた。


でも、その日は違った。


塾から帰ってきた私はすぐお姉ちゃんの部屋に向かい、分からなかった問題を教えてもらおうと急いで階段をかけのぼる。



「お姉ちゃん、ここ教えてほしくて」



いつもなら、優しい笑みで私に「いいよ」と笑いかけてくれるのに、この日は睨みつけるようなお姉ちゃんの目が私をとらえた。



「……鬱陶(うっとう)しい」


「え……?」


「出来損ないのあんたに教えるのはもう、嫌なんだよ!いっつもヘラヘラ笑いながら話しかけてきて、鬱陶しいんだよ!!」



お姉ちゃんは私に怒鳴る。


こんなお姉ちゃんを見たのは初めてで、呆然と立ち尽くす私に振り向きもせず、お姉ちゃんは部屋から出て行った。


あぁ、お姉ちゃんも出来損ないの私が嫌になったんだ……。


悲しい気持ちとやるせない気持ちが一緒になってよく分からなくなる。

その日は、何も、もう考えたくなくて布団に潜り込み目をつぶった。

目をつぶったのに涙がこぼれ、枕にしみつく。

私は嗚咽を漏らしながら、眠りについた。



次の日の朝、昨日のはきっと夢だ、そんな馬鹿みたいなことを信じてお姉ちゃんに「おはよう」と話しかけた。


でも、お姉ちゃんは私のことを見もしなかった。


まるで、私がその場に居ないかのように。



小学生の頃、私がしたことが自分に返ってきている、そう思った。


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