雨上がり、また想いだせるように。


「あの後、虹空に前野を現実の元の世界に戻して欲しいってしつこいほど頼まれたけど、戻すことは出来なかった。戻してしまえば、前野は死んでしまうから」


私には受け入れるのが難しかった。


虹空くんにとって、前野さんを元の世界に戻すことが良いことだろう。なのに、それは前野さんにとって、残酷で悪いことになる。



「まさか、前野さんと虹空くんにそんなことがあったなんて知りませんでした」


「そんなの当たり前だ。今の二人は他の人から見たら友達だから。………雨。もし、元の世界に戻れるとしたら君はこのまま戻る?」



そう聞かれて、迷う時間なんていらなかった。私の答えは一つだ。



「戻りません。私は虹空くんに救ってもらった。でも、私は虹空くんをまだ、救えてない。楽にもできてない」



「そう言うと思った」と男の人は声を上げて笑う。



「雨を信じてる。君なら出来ると信じてるんだ」



その瞬間、霧が男の人を包み込み、気がつくと、部屋のベッドの上にいた。

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