年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。
「どうしたんですか、二人とも黙りこくっちゃって。」

「き、君がびっくりさせるから。
ねぇ、三井さん。」

「は、はい。私もびっくりしました。」

なんで、私に振るのよと思いながら、私はなんとか気を落ち着かせた。



「君みたいな可愛い子に好きだと言われるのはありがたいけど、俺は一途だから、気が変わることは無いよ。
ここには俺なんかより良い人がたくさんいるから、そっちに目を向けた方が良いと思う。」

「ご忠告ありがとうございます。
でも、私、樹トレーナーが良いんです。
振り向いてもらえるように頑張ります!」

強いな。
陽は全然めげてない。
この分なら、十分、期待が持てる。



「困ったな。三井さんからも言ってくれよ。
俺が一途なこと、三井さんも知ってるよね。」

樹はマジで困ってるみたいだ。



「一途なんて流行りませんよ。
東堂さんの好きな方と陽さんをよ~く比べて、今一度考えてみたらいかがですか?」

樹の顔がびっくりしたような、どこか怒ってるような表情に変わった。
まさか私がこんなことを言うとは思わなかったんだろうね。
私自身も、ちょっとびっくりしてる。



「陽さん、頑張ってね。
私、応援してますからね。」

「わぁ、嬉しい!
恵理子さん、ありがとうございます。」

陽は私の手をきつく握った。
< 16 / 53 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop