年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。




『さっきのあれ、何なんだよ!😠』



バイトが終わり、ふとLINEを見たら、そんなトークが入っていた。
昼食後、別れてすぐに送ったみたいだ。



『家で待ってるから。』

そして、それからしばらくしてさらにそう入っていた。
樹はお昼のことを問い質すつもりだ。



『今日はちょっと都合が悪い。』

今日は樹に会いたくなかったから、嘘を吐いた。



『どんな都合?』

『陽さんに晩御飯に誘われた。』

さらに、嘘を重ねた。



『遅くなっても構わない。
俺、ずっと待ってるから。』

思わず溜め息が出た。
彼のことだ。
きっと一晩中だって待つだろう。



嫌なことは早めに済ませた方が良いのかもしれない。
そう思い直した時…



「恵理子さん!」

返信しようとしたら、陽が来た。



「あら、どうしたの?」

「晩御飯、一緒に食べない?」

「そ、そう、良いわね。そうしましょう。」



樹に送った嘘が本当になった。
私は、陽と一緒にファミレスに向かった。







「ねぇ、樹トレーナーの好きな人って知ってる?」

私は飲んでいたアイスコーヒーを吹き出しそうになってしまった。



「そ、そんなの、知ってるわけがないじゃない。」

「そうなの?噂とかないの?」

「聞いたことないわ。」

「え~…そうなんだぁ。」

陽はがっかりしたような声を発した。
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