年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。
私、もしかしたら、ちょっとおかしいのかな。
年齢の近い男性には全く興味をそそられなかったのに、19も下の男性と付き合うなんて。
考えれば考える程、樹は付き合ってはいけない相手なんだと思えて来る。



陽と別れたのは、9時過ぎだった。
どうしようかと思ったけど、絶対に樹は私を待ってる。
だから、行くことにした。
行きたくはなかったけど、仕方がない。



樹の家に着いたのは10時前だった。



「遅い!」

「だって、話がはずんだんだもん。」

玄関先で、急に抱き締められた。



「今夜は、こっちに泊まりな。」

「だめよ。着替えを持って来てないもの。」

「そんなの気にすることない。」

樹はこうと決めたら、その考えを変えない。
私は自宅に帰ることを諦めた。



「樹はごはんは食べたの?」

「うん、カップ麺食べた。」

「そういうのはあまり食べないようにって言ったじゃない。」

「じゃあ、早く結婚して、美味しくて体に良いもの作ってよ。」

樹の瞳には、私しか映ってない。
なんでだろう?
なんでこんなおばちゃんの私を好きなんだろう?
私には、樹の気持ちが皆目わからない。



それはとても嬉しいことではあるけれど、私はその気持ちに応えることは出来ない。
樹にも申し訳ないし、きっとすぐに冷める愛だから、その時に傷付くのが怖いから。
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