年下の彼は、なぜだか私にZokkonです。
陽はおかしそうに肩を揺らす。



「そ、そんな馬鹿なこと、あるわけがない。」

「樹、顔が真っ赤よ。」

「恵理子、騙されるな。
俺は陽に手を出してない。
妊娠なんてするわけないんだ。」

「嘘じゃないって。なんなら一緒に病院に行く?」

私はどちらを信じて良いのかわからなくなった。
樹が嘘を吐くはずがない。
でも、陽だって我が子だ。
嘘とは思えない。



「恵理子、本当なんだ。しんじてくれ。
確かに手は繋いだ。
キスも一度だけ。
だけど、それ以上のことはない。」



やっぱり、樹が嘘を吐いてるとは思えない。
じゃあ、陽が…?



ふと見ると、陽はくすくすと笑っていた。
どうして、こんな時に?



「恵理子さん、ごめんね。
手を繋いだのもキスも私が無理やりやったことだから、ゆるしてやって。
樹の言ってることは本当だよ。
それ以上のことはない。」

「えっ!?」

それ以上のことはないって…
じゃあ、陽が嘘を吐いてたってこと!?



「樹はこれだけ恵理子さんのことを愛してるんだから、信じてみたらどうかな?
駄目だったら別れれば良いじゃない。
その時は私がしっかり支えてあげるから。」

「陽……」

なんだかほっとして…
陽の言葉が心強くて…
樹の一途さに胸を打たれて…
私は知らないうちに涙を流していた。
気が付けば、そんな私を陽が優しく抱き締めてくれていた。
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