絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜
「でもさ、サークルに行くの嫌じゃない?」
「なんで?」
「いや……なんていうかさ、笹原さんと長崎さんもいるし……」
「うーん、それがそれほど嫌じゃないんだよね。もう終わったことだし。それに今は信久がいてくれから、すごく心強いよ」
サークルに残る意味はないけど、信久と出会えたことには心から感謝している。ここに入ったからこそ出会えた人だから。
それにお互い好きな人がいたから、こんなに仲良くなれたのも事実。
「……徳香、今日も泊まっていい?」
言い方は普通なのに、どこか甘えたような信久に徳香は胸がときめいた。彼の可愛い一面を知るたびに、私の胸は熱くなる。
「いいけど、うちより信久の家の方が広いよ」
「いいんだ。だって徳香の部屋が好きだから。でさ、明日は俺の部屋に泊まらない?」
「……泊まる」
こんなに幸せでいいのかな……彼が与えてくれる愛情に、私はいつも安心して身を任せてしまう。
「信久と出会えて本当に良かった……大好きだよ」
「いきなりだね。でもすごく嬉しいよ。俺も徳香が大好き」
確かに私は友達から恋人になるなんて考えはなかったから、少し強引だったけど信久が気持ちを変えてくれて良かったと思う。そうじゃなければ、未だにこんなに素敵な人が近くにいたことに気付いていなかったかもしれない。
最近、徳香はこれまでの恋愛を振り返って、思うことがあった。今まではお互いの好きなもに合わせるのが恋の形だと思っていた。それは我慢することもあって、気持ちが疲れてしまうこともあった。でも好きだからそれくらいは当たり前って思っていた。
しかし信久と一緒にいて、同じ時間を共有して同じものを見ることが出来るのは、すごく幸せなことだと思い始めていた。
私たちは元当て馬。でも当て馬だって愛しい人と新しい恋に落ちれば、たちまち愛され主人公に変われる。
手が届かないと思っていたハッピーエンドは、信久との出会いの先にあったのだと、彼の愛に包まれて知ったの。


