絶対的恋愛境界線〜当て馬だってハピエン希望です!〜

「でもさ、サークルに行くの嫌じゃない?」
「なんで?」
「いや……なんていうかさ、笹原さんと長崎さんもいるし……」
「うーん、それがそれほど嫌じゃないんだよね。もう終わったことだし。それに今は信久がいてくれから、すごく心強いよ」

 サークルに残る意味はないけど、信久と出会えたことには心から感謝している。ここに入ったからこそ出会えた人だから。

 それにお互い好きな人がいたから、こんなに仲良くなれたのも事実。

「……徳香、今日も泊まっていい?」

 言い方は普通なのに、どこか甘えたような信久に徳香は胸がときめいた。彼の可愛い一面を知るたびに、私の胸は熱くなる。

「いいけど、うちより信久の家の方が広いよ」
「いいんだ。だって徳香の部屋が好きだから。でさ、明日は俺の部屋に泊まらない?」
「……泊まる」

 こんなに幸せでいいのかな……彼が与えてくれる愛情に、私はいつも安心して身を任せてしまう。

「信久と出会えて本当に良かった……大好きだよ」
「いきなりだね。でもすごく嬉しいよ。俺も徳香が大好き」

 確かに私は友達から恋人になるなんて考えはなかったから、少し強引だったけど信久が気持ちを変えてくれて良かったと思う。そうじゃなければ、未だにこんなに素敵な人が近くにいたことに気付いていなかったかもしれない。

 最近、徳香はこれまでの恋愛を振り返って、思うことがあった。今まではお互いの好きなもに合わせるのが恋の形だと思っていた。それは我慢することもあって、気持ちが疲れてしまうこともあった。でも好きだからそれくらいは当たり前って思っていた。

 しかし信久と一緒にいて、同じ時間を共有して同じものを見ることが出来るのは、すごく幸せなことだと思い始めていた。

 私たちは元当て馬。でも当て馬だって愛しい人と新しい恋に落ちれば、たちまち愛され主人公に変われる。

 手が届かないと思っていたハッピーエンドは、信久との出会いの先にあったのだと、彼の愛に包まれて知ったの。
< 133 / 133 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:4

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

【1話だけ大賞】東雲に愛を詠む〜臆病なコリスは未だに冬眠中〜

総文字数/10,164

恋愛(純愛)1ページ

スターツ出版小説投稿サイト合同企画「第2回1話だけ大賞」ベリーズカフェ会場エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
1話だけ大賞に応募するための作品となります。 今は1話だけですが、今後続きを追加していく予定です。 *** 高校三年生の時に好きになった人がいた 赴任したばかりの先生は どこか冷たい感じのする人 彼は高校の卒業生で 文芸部に所属していたらしい だから文芸部員の私の前では 時々笑顔も見せてくれた でも先生には恋人がいる 想いを伝えられないまま 卒業式でこう言い残した 『大人になったら会いにいっていいですか?』 あれから五年── 私は先生に会いに行くことは出来ずにいた そんな時に再会した恩師によって 運命の歯車が再び回りはじめる── 永里 莉珠(23)求職中 × 都築 隼人(28)高校教師・兼業作家 あの時にしまいこんだ想いの蕾が 新しい想いと共にふくらみはじめる──
妖精渉る夕星に〜真摯な愛を秘めた外科医は、再会した絵本作家を逃さない〜

総文字数/79,434

恋愛(純愛)84ページ

マカロン文庫新人コンテストエントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
始まりは高校三年生の時 廃部寸前の文芸部に 突然やってきたのは 学年一の優等生のあなた 住む世界が違う私たち だけど読書と顧問の先生が 二人の想いを繋いでいく あの日が訪れるまでは── すれ違ったまま卒業した二人 二人が再会したのは 恩師である顧問の先生の葬儀の日だった 山之内 花梨(26)絵本作家 × 菱川 北斗(26)外科医 会いたくないと 逃げようとする花梨 きちんと話をしようと 追いかける北斗 二人の想いが交差した時 再び恋が動き始める── *大好きな作家友だちのオガタカイさまのイラストに感化されて執筆しました♡ *エブリスタにも投稿しています。
ハイヒールの魔法

総文字数/21,351

恋愛(純愛)28ページ

ベリーズカフェラブストーリー大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
学生時代に受けた 心の傷が癒えることなく 恋とは無縁の生活を送ってきた瀬名 恋はもちろん 結婚なんて出来るわけがない── そんな時に参列した友人の結婚式 愛し合う二人の姿をみていると 胸が苦しくなった 結婚式の後 終電に間に合うように走っていると パンプスのヒールが取れてしまう そして終電の時間が過ぎ 何もかもが悲観的に思えた瀬名は 衝動的にパンプスを放り投げてしまう しかもパンプスを届けてくれた男性から 浴びせられた失礼な言葉 『イケメンのくせに女装が趣味なんだ』 そして瀬名は 男性に平手打ちを喰らわせると 走って逃げ出した── 三木谷瀬名(27)小児科医 × 樫村徹平(29) 最悪な出会いから始まる 魔法のような恋のお話 *エブリスタ様にも投稿しています。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop