秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
昨日のお通夜も今日の葬儀も、使用人の手を借りつつ必要なやりとりはほぼ私がひとりで対応した。
ふたりは陰で葬儀会社や親類の不満をこぼしていただけだったはずなのに、疲労は私以上のようだ。
父だってそんな状況は想像できるだろうが、それについてなにかを言うつもりはないらしい。
母に一方的に一目惚れをして頼み込んで結婚してもらったせいか、父は昔から彼女に強く出られない。外では頼りにされているようだが、プライベートでは箱入り娘だった妻の言いなりになって、振り回されてばかりの主体性に欠ける夫だ。それは梨香に対しても変わらない。
母と梨香は友達親子とでも言うのか、多くの時間を一緒に過ごしている。ショッピングや観劇に頻繁に出かけ、家事は使用人任せ。社会人経験はふたりともない。
友人のようになんでも相談できる母娘というのなら、そんな関係も悪くないかもしれないが、この人たちは違う。
彼女らがそろえば不平不満を訴える声も二倍になり、黒いものも白だと言い張り、少々理不尽であろうと主張が通ってしまう。
これまで幾度となく嫌な思いをさせられてきたが、父がそれを正さない以上これからも変わりはしないだろう。
この人たちになにかを期待するなど、とっくにあきらめてしまった。
ふたりは陰で葬儀会社や親類の不満をこぼしていただけだったはずなのに、疲労は私以上のようだ。
父だってそんな状況は想像できるだろうが、それについてなにかを言うつもりはないらしい。
母に一方的に一目惚れをして頼み込んで結婚してもらったせいか、父は昔から彼女に強く出られない。外では頼りにされているようだが、プライベートでは箱入り娘だった妻の言いなりになって、振り回されてばかりの主体性に欠ける夫だ。それは梨香に対しても変わらない。
母と梨香は友達親子とでも言うのか、多くの時間を一緒に過ごしている。ショッピングや観劇に頻繁に出かけ、家事は使用人任せ。社会人経験はふたりともない。
友人のようになんでも相談できる母娘というのなら、そんな関係も悪くないかもしれないが、この人たちは違う。
彼女らがそろえば不平不満を訴える声も二倍になり、黒いものも白だと言い張り、少々理不尽であろうと主張が通ってしまう。
これまで幾度となく嫌な思いをさせられてきたが、父がそれを正さない以上これからも変わりはしないだろう。
この人たちになにかを期待するなど、とっくにあきらめてしまった。