攫い
冴とは対照的な白い肌は、汗ひとつかいていない。
清涼感あふれる濡れ羽色の髪が、窓から吹きこむ夏の風にサラサラと揺れていた。
「あれ、おかえり都。早かったね」
「まぁね、ただいま……じゃなくて。馬鹿って聞こえたんだけど、馬鹿って。これでも俺、元生徒会長なんだけどな」
都は手に持つノートを机に置きながら、ゆっくりと自分の席についた。
「あ……それは、例えだよ!例え!」
「例えにしちゃひどい扱いだね。紅羽も入れて四馬鹿にしてあげようか?」
「うっ、ゴメンナサイ……」
ジト目でこちらを見てくる都に両手を合わせる。