S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
ボーリングは難しかったけど、やってみると楽しかった。三堂さんの教え方も上手い。
「フォームも教えた通りすぐできるし、七瀬さん、センスあるわぁ」
「三堂さんが教えてくださったおかげでガーターが減ってきました。って、三堂さんはストライクばっかりじゃないですか!」
「ふふ、私はスポーツだけはなにやっても負けないのよ」
たしかに、三堂さんはなんでもスポーツをこなすスーパーマンのような人だ。
一度、バイク便に大事な書類が間に合わなくて、走って追いかけバイクを止めたという経験を持つ先輩なのだ。
私はその時のことを思い出して、ふふ、と思わず笑った。
「何笑ってるのよ」
「そういえば、私が一年目の時、三堂さん、走ってバイク便に追いついたことがあったなぁって思いだしました」
「そんなこともあったわね。それがいまの彼よ」
三堂さんがさらりと爆弾発言をする。
「……へ?」
「あの時走って止めたバイク便の男の子。あれが、今の彼」
「ほ、ほ、ほ、ほんとですか⁉」
だから見覚えがあったんだ!
今は来ていないけど、驚くほどかっこよかったような……。
「えぇ。顔がタイプだったし、あの時、彼を捕まえられたらあとで告白しようと決めてたのよ。だからいつもより気合入っちゃった。仕事のトラブルを利用したのよ」
そう言って、三堂さんは笑う。
利用、と言っても、あれを止めなければ書類はどうにもならなかった。三堂さんが恋していなければ、会社にとって大きな損失をだしていただろう。
「……すごいです、三堂さん」
「恋もね、タイミングを逃さないことよ」
三堂さんはまたケラケラと笑う。
三堂さんに教わることはまだまだ多そうだ、と思った。