S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 寝室に入ると、要さんはいつもどおりベッドの中で本を読んでいる。
 なかなか動けない私を、

「何をしている? おいで」

といつものようにベッドに招き入れた。

 ぱたんと本を閉じる音に、びくりと身体が震える。
 怖いと言うより、期待の混じる胸の鼓動に気づいてしまう。

 変態だ。もう間違いなく、私が変態だ。こんなこと知られたら、要さんに呆れられるかなぁ?

 悶々としている私を要さんは抱き寄せると、そのまま私の額に軽いキスをした。

(やっぱり、好き。このキスも、要さんのことも……)

 気持ちを認めてしまえば、籠絡するのは早かった。
 私は、要さんを見つめる。

 要さんが見返してきた瞳に吸い込まれそうになる。そうすると『好き』という言葉があふれて止まらなくなりそうで、それを飲み込み、目線をそらせて私は慌てて口を開いた。
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