S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

「なんなら、今からあの2人の間に突撃して来れば?」
「む、無理ですよ。仕事だろうし、邪魔したくない」
「まぁ、あの2人は大丈夫でしょ」

 そう三堂さんはあっさりと言う。
 私は思わず、

「大丈夫かどうかなんてわからないじゃないですかっ!」

と食って掛かってしまった。

 はっ、と自分の言動を顧みて、反省したころには時すでに遅し。言った言葉は取り戻せない。
 慌てて、すみません! と頭を下げた。

(いくら悶々としてたからって……先輩になんて言い方しちゃったんだろう……)

 泣きそうになっている私とは対照的に、三堂さんは顎に手を当て、「あらぁ……」と言ってニヤリと笑っていた。
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