S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 あとで三堂さんに聞いたのだけど、私が電話対応をしていた時、新人の新村さん、如月さん、三堂さんが並んでこっそりこんなことを話していたらしい。

「はぁ……ほんと頼りになってかわいいです、うちのリーダー。正直惚れてしまっています」
「おい新人、何恐ろしい事言ってるんだ。遠くの国か、空の上にいくことになるぞ」
「え……なんでですか」
「そっか転職組だから知らないんだ。本人も別に言いたがらないしね」
「でも相手がわざわざ釘を刺しに来る人だから恐ろしいんだ。あのな、新人。あの人、副社長の奥さんだぞ。そして副社長は恐ろしい人だぞ!」
「そうなんですか。お子さんがいらっしゃるのは知ってましたが」
「それ知ってて惚れるとかすごいわね。今の若い子はアグレッシブねぇ」
「だって、好きなものは好きですし。僕は副社長の奥さんでもなんでも気にしません!」

「わー! もうそれ以上言うな!」

 私が電話を切ったころ、如月さんの大声が聞こえてそちらに目を向けると、なぜか要さんが人事部に入ってきたところだった。
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