S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 その提案は私にとってはとても魅力的なものに思えて……。
 私はそっと口を開く。

「ほ、本当ですか?」
「あぁ。本当だ」

 でも、うますぎる話には、裏がある。
 なんでも全部が思い通りにはならないはずだ。

 私だって大人だし、そのくらいは分かる。

 そう思っていると、部長が私に言う。

「そうだ。気になるなら、ルールを決めないか」
「……ルール?」

「俺と七瀬とで結婚生活をする上での決め事だ」
「決め事、ですか」

「俺は二人で決めたルールは必ず守る。だから七瀬も守ってくれ。そうできるように、一緒にルールを決めよう」
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