裏切りの果てに~ただあなたと胸を焦がすような恋がしたかった~
圭輔のことじゃないとしたら…


『だったら…どうしたんですか、先生?』


『祥子ちゃん。グダグダ言っても仕方ないから、もう、はっきり言うよ。僕は…君のことが好きなんだ。圭輔の奥さんだってわかってる。だけど、どうしようもなく君を好きになってしまったから』


えっ…


私のことが…好き?


ちょっと待って…嘘でしょ?


突然の寛也さんからの告白、これって本当なの?


夢じゃないの?


『せ、先生、私のことからかってます?』


『まさか』


『じゃあ本当に私のこと想ってくださってるんですか?』


『ああ、そうだよ。君を想ってる』


嘘みたいなセリフが波のように押し寄せる。


寛也さんの言葉が本当なら、結婚してる私には困ることのはず。


なのに私…


今、嬉しくて嬉しくてたまらない。


こんな気持ち、生まれて初めてだ。
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