妖怪ホテルと加齢臭問題(天音と久遠)
気がつけば四捨五入すると、
アラフォーになる。

孤独死だって、他人事ではなくなる。
<おひとりさま>の覚悟が、必要だ。

アラフォーになって、わかった事は、
10代、20代に、あれほどキラキラしていた女の子が、
立派なおばちゃんに変身する事だ。

天音は、20代でも30代でも、
あまり、見た目も含めて、容姿に変化がない。

良い事なのか、悪い事なのかわからないが・・・

高校卒業すると、都会の大学に進学して、司書教諭の資格を取り、
学校の図書館司書の仕事をしている。

黒っぽい鯉は、地味なりに自立していった。

そうこうするうちに
父が、がんでなくなり、母も年老いて、認知症の症状が出始めて、
旅館を続ける事が、困難になっていた。

天音の決断が、迫られていた。

3代目女将として、旅館を再興させるか・・・・
廃業して、土地を売り払うか・・・

どちらもメリットはない。
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