叶わぬ恋だと分かっていても
 ギュッと意識して中を締め付けるように彼の分身を包み込みながら、なおちゃんを見詰める。

 自分からおねだりするように、向かい合わせの座位のまま、彼に口付けを落として、追い詰めるみたいに腰をゆるゆると動かした。

「なの、かっ。それ……」

「気持ち……いい?」

 すぐ間近から。
 なおちゃんを見下ろすようにして熱に浮かされた目で問い掛けたら、腰をグッと掴まれて、下から思い切り突き上げられた。

「ひゃあ、んっ!」

 クチュッというイヤらしい水音が下腹部から響いて、それが私の女に火を付ける。

「なおちゃっ、もっともっと……私で、気持ちよ、くなって? お願い……っ!」

 私がなおちゃんを独り占め出来ていると実感できる唯一の時間は、こうして彼と身体を繋げて欲望のままに交わっている時だけだから――。

 なおちゃんみたいに〝受け入れてもらえるだけ〟で幸せだなんて、私には思えない。

 私を女として雄々しく求めて、訳がわからなくなるほどぐちゃぐちゃにして欲しい。

 でないと罪の意識に押し潰されてしまうから。

「なおちゃ、わ、たしっ、なおちゃんが私で()くとこ、見る、のっ、すご、く……好きっ」

 夢中でなおちゃんにキスをねだりながら、口の中も膣の中も、全部全部彼にめちゃくちゃに掻き回されたいと願ってしまう。

 私たちの情交に、理性なんてなくていい。

 だって妻子ある人と、欲望のままにこんな不埒(ふらち)なことをしている時点で私たちは冷静(マトモ)じゃないんだもの。

 だったらいっそ。

 獣みたいに肉欲に溺れてしまう方がよっぽど〝らしくて〟いいじゃない。

 なおちゃんはきっと。

 私の罪悪感を考えて〝受け入れて〟もらえるだけで幸せだとか、塩らしいことを言っているだけと思った。


 ()ちるならとことん奈落の底まで二人で堕ちてしまおうよ?
 『毒を食らわば皿まで』って言葉があるじゃない?

 ね?
 なおちゃん。
 いいでしょう?
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