剣と涙〜悲しみの連鎖を断ち切って〜
「楽しそうだな。さて、俺も頑張るか」

沙月が後ろを見れば、瑠依が呪術を使って静瑠を実体化させていた。目を細めてニヤリと笑った彼は、刀を地面に突き刺して呪術を放つ。広範囲に呪いは届き、悪霊たちが消えていくのがわかった。

「よし、みんな行くよ!」

瑠依がそう言い、刀を手に走り出す。すぐに紫乃と菫も続いた。妖たちも屋敷の中へと突入し、戦いが幕を開ける。

「コロッケェェェェェェェェェェェェ!!」

火影が叫びながら炎を体に纏い、悪霊にぶつかっていく。その横で水月が顔を顰めていた。

「お兄ちゃん、うるさい!!」

まるで火影に対する怒りをぶつけるように、水月は滝のような量の水を悪霊の上に落とした。

「皆さん、気を付けて!」

桜姫が桜の盾を作ってみんなを守り、紫乃が傷付いた人や妖を見つけては回復させていく。

「凍り付きなさい」

お雪が息を吹きかけ、悪霊を氷漬けにしていく。その様子を見ながら、つららは目を輝かせていた。

「なら、私も!」
< 22 / 34 >

この作品をシェア

pagetop