剣と涙〜悲しみの連鎖を断ち切って〜
旅立ち
親玉である女性の幽霊が姿を消すと、他の悪霊たちも姿を消していく。階段の近くでは沙月が倒れていた。
「沙月!」
葉月が駆け寄り、瑠依や妖たちも駆け寄る。沙月の顔は真っ青になり、ぐったりとして意識を失っている。
「紫乃、回復させてあげて」
「うん!」
瑠依が指示をすると、紫乃は魔導書を開いていつものように回復の術を使う。沙月を淡い光が包み、その目が薄っすらと開いていく。
「ううっ……は、づき……?」
「沙月!!」
葉月は泣き出しそうな目をしながら沙月を抱き締める。恋人同士である二人の光景に、瑠依はホッとしつつも羨ましさを感じていた。その目は、何故か紫乃に向けられている。
「何で紫乃のことを見てるんだ?」
ジッと見つめていると静瑠が隣に立ち、肩に腕を回してくる。まるで揶揄うような口調に瑠依は「何もないよ」とぶっきらぼうに返した。
「なぁ、ここでのんびりしてるのはまずいかも……」
「沙月!」
葉月が駆け寄り、瑠依や妖たちも駆け寄る。沙月の顔は真っ青になり、ぐったりとして意識を失っている。
「紫乃、回復させてあげて」
「うん!」
瑠依が指示をすると、紫乃は魔導書を開いていつものように回復の術を使う。沙月を淡い光が包み、その目が薄っすらと開いていく。
「ううっ……は、づき……?」
「沙月!!」
葉月は泣き出しそうな目をしながら沙月を抱き締める。恋人同士である二人の光景に、瑠依はホッとしつつも羨ましさを感じていた。その目は、何故か紫乃に向けられている。
「何で紫乃のことを見てるんだ?」
ジッと見つめていると静瑠が隣に立ち、肩に腕を回してくる。まるで揶揄うような口調に瑠依は「何もないよ」とぶっきらぼうに返した。
「なぁ、ここでのんびりしてるのはまずいかも……」