離縁するはずが、冷徹御曹司は娶り落とした政略妻を甘く愛でる
 俺は顔色を変え、音のするほうへ足を進める。
 
 開いたドアの隙間から、背中を丸める琴子の姿が見えた。
 
「琴子……?」
 
 

 驚いて呼びかけると、彼女は真っ青な顔でこちらを見た。





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