勘違いの恋 思い込みの愛
週四日の短時間のパートとはいえ、外に出て働くことが、梨花にとっては良い息抜きになっていた。
二ヶ月が経ち生活のリズムも掴め、心配していた家事との両立も出来ていた。

二ヶ月前までの梨花は、晴也が全てだった。
一日の会話が晴也とのみの日もざらだった。それ以外と言っても、買い物に出掛けた時レジスタッフに「ありがとうございます」と言うくらいのものだ。
働き始めてからフットワークも軽くなり、以前よりも家事がスムーズにこなせるようになった気がしていたし、このところ晴也との会話が増えたようにも感じていた。

晴也と交際中は、年に数回二人で旅行を楽しんでいた。結婚してからも最初の一年程は旅行やデートにも出掛けていたが、それ以降はぱったり途絶えた。それに合わせて、夜の営みも殆どなくなった。
まだ新婚といわれる時期なのに――晴也は変わってしまった。

しかし最近になって会話が増えたことで、晴也との関係回復の兆しが見えていた。

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