そして僕はまた、君に出会える時を待つ
「……彼?」
……って誰?
僕と、同じことを思ったのだろう。
加奈子さんが訊き返すと、マスターは顔を上げて、僕を見た。
「…………そこの、彼」
「……え?」
加奈子さんと、僕の声が見事に重なった。
顔を見合わせて、もう一度。
「えええええ?!」
思いっきり叫んでしまった僕達に眉をひそめ、マスターはカップにコーヒーを注ぐ。
「そんなに驚かなくても……他にお客さんがいなくて良かったよ」
「いや、だって25よ?」
「そうですよ、僕なんかじゃ、それこそ失礼ですって」
同時に声をあげた僕らの声をきちんと聞き分けたらしいマスターは、唇の片端を上げる。
「ふうん……そっか~」
「なによ、その顔……」
「いや、前にも言った気がするけど」
もったいぶるような丁寧さでコーヒーを置くと、意味ありげに笑いかける。
「加奈子さんより、俺の方が男見る目あると思うよ、多分」