闇夜に瞬く星(ひかり)
そう言ったイジメグループのうちの一人が
彼の長い髪を無理に引っ張り
水道の前へと連れて行った。
そして
「こうして、こうやってやるんだよ!」
誰がその行動を予想しただろう。
水で冬夜の髪を濡らし
そのまま床に彼の頭を押し付け
乱暴に振り出したのだ。
「ガハハ!!
そんなんで磨いたら余計床が汚くなんだろ?!」
周りを囲んだ
イジメグループ数人は言いたい放題で
耳を塞ぎたくなるような
罵声と笑い声を浴びせ続ける。
イジメをしているのは明らかで
余りにも酷すぎる行為なのは
誰が見ても分かる。
けど、彼に手を差し伸べるものはいなかった。
まぁ、当たり前だろう。
イジメをしているグループのリーダーは
この辺では名前を知らない人はいない
大企業のお坊ちゃまだし、
単純に自分が巻き込まれたくないから。
人間ってそういうもの。
自分がいちばん可愛くて、大切で、
誰かのために自分を犠牲に出来る
高校1年生なんているはずがない。