【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。
溺甘オオカミ
 告白の返事保留中の相手と同居する事になりました。

 って、どんな状況よそれ⁉
 いや、まさに今の状況なんだけどね⁉

 カチャカチャと村城くんが食べ終えた食器を洗いながら自分にツッコミを入れてしまう。


 夕飯もまともに食べれていないという彼に、残り物で良ければと簡単に遅い夕飯を食べさせた。

 食べながら話してもらった内容では、委員会も終えて私と別れて家に帰ったら、すでに消火も終わっていた状態だったそう。

 途方に暮れたけれど、とりあえず親に連絡してどうするか決めたり、無事だった着替えなどの荷物を準備していたらこんな時間になったのだとか。


「男友達の家とかに泊まれれば良かったんだけど……ごめん」

 と、申し訳なさそうに謝られた。

 去年転校してきた村城くん。
 しかもあの見た目だからかそこまで男友達も多くなくて……。

 流石に泊めてもらうほど仲の良い人はいないらしい。

 そこに私のお父さんから是非にと言われてしまって、ここに来る事になったんだとか。


 まあ、お父さんが私を心配するのも分かるし、村城くんを一晩中外に居させるわけにもいかないからね。

 告白保留中ってことでちょっと気まずいところはあるけれど、村城くんなら変なことはしないだろうし。

 部屋も空き部屋があるから、そこを使ってもらえば良いってお父さんも言ってたし。


 とにかく、仕方ないってことでお互いに納得した。
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