『ペットフード』
まず最初の一手で雨哥の胃が熱くなり、その場に蹲(うずくま)った。
タキは雨哥に床の鉄網板の上で吐くようにと教えた。地下に落ちて行くらしい。
「すみ」でまた吐いた。「すみません」もろくに言えない。
一気に全部が胃から消えたように感じ、雨哥は涙目でまた立ち上がる。
意識は…不思議とハッキリとしている。
雨哥が見ているのを確かめ、タキは次の手順を見せた。
これも後から考えると思い出せるんだ。
近くに置いてあったビーカーに似た容器に、そこから出る液(赤)を入れる。
まるでジュースのように。
そして、それを雨哥の前に差し出した。
「ん」と顔では言っている。
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