一夜がつなぐ運命の恋   ~店長の子どもを身ごもりました~
「麻貴のデザイン、粗削りだけどすごくセンスあるから、見てあげてね?」
松本店長はデザイナーとしても、本社で頭角を現していた。
店長として経営の能力にたけているだけではなく、今はデザイナーとしてもかわれてニューヨーク支店に引き抜かれた。
何度か私のデザイン画を見てくれたことがあって、松本店長はデザイナーとしての夢をあきらめたらだめだと背を押してくれた人でもある。

人として、デザイナーとして、女性として、尊敬できる人だ。

「そうなのか?今度見せてくれよ。」
桐生店長が私を覗き込む。
「そこまでの実力はないので、お恥ずかしいです。」
私が桐生店長から視線を外すと、松本店長が桐生店長に何かを耳打ちした。

2人の距離感・・・やっぱり・・・仕事以上の何かがある。

それが過去なのか、現在進行形なのか・・・
でも、桐生店長は彼女はいないと言っていた。
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