妖狐の花嫁は月夜を想う
第2話 結婚式
「花嫁?私が?あなたの?」

「そうだ。」

すると仙狐様は、私の手を握って、鳥居の前まで連れて来た。

「ここからは、異界の我々の住む世界だ。もう後戻りはできない。」

「えっ⁉でも私、まだ花嫁になるなんて、決めてない!」

「まあ、いい。来れば分かる。」

そして鳥居を抜けると、急に明るい光が、目に飛び込んで来た。

「わっ!眩しい!」

目を閉じた瞬間、皮膚にサーっと何かが撫でる感じがした。

「さあ、もう目を開けてもいいぞ。」

私はゆっくりと、目を開けた。


「うわー……」

そこには、立派なお屋敷があって、何もかも光り輝いていた。

「どうだ?これが、私の屋敷だ。」

「凄い立派ですね。」
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