妖狐の花嫁は月夜を想う
すると、中にいる人達が騒ぎ出した。

「人間だ。人間がいる。」

と言う事は、人の形はしているけれど、皆お狐様達なのかな。

「中にいる人達は、狐達ですか?」

「他に誰がいる。」

「人の形をしているのは?」

「俺の趣味だ。」

自分の趣味で、狐達を人の形に?

この方は、結構偉い方なのかな。


「その……仙狐様は……」

「その呼び方は、好かん。」

その時思った。

この人、好き嫌いがはっきりしていると。

「では、何とお呼びしたらいいですか?」

「厚成と呼べ。」

「厚成?人間の名前ですか?」

すると厚成様は、私をじーっと睨んだ。

「悪いか。それが俺の名前だ。」

「はい、すみません。」
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