もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)

翼を広げて



逃げたい


だけどりょうが向井さんに被害を与えることを考えたら

動けなかった。







―――ピンポーン


インターホンが鳴った。






りょうには
誰か来ても出るなって言われている。




私は玄関には向かわず
リビングの床に座った。


何度も鳴るインターホン。




「美沙ちゃん!!!いるんだろ!?開けて!!」






ドアを叩く音



この声は



向井さん。







「美沙ちゃん!!!俺だよ!!」






私はずっと聞きたかったその声に


すぐに立ち上がり




玄関へ向かった。






向井さん



向井さん






ダメだよ


もし、りょうがここにいたら
どうしてたの?




危ないよ






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