もしも、私の背中に翼があったなら。(短編)



せっかく幸せな時間が始まっていたのにね。

なんで、りょうの言葉を信じて荷物なんか取りに来てしまったんだろう。



向井さん

私はあなたと結ばれたあのぬくもりを忘れたくないよ。


私ね、


あの鳥みたいに

この空を飛んで向井さんの元へ行けたらって思うよ。



もし、そんなことができたなら


一緒にどこか遠くへ…







涙が頬を伝った。





会いたい

会いたい




向井さんの声が聞きたい

向井さんに触れたい

あの優しい手に触れられたい


抱きしめてもらいたい


ぎゅって…

もう何の痛みも感じられないくらい強く

向井さんに包まれたい


そして甘く優しいキスをしてほしい





ここから飛び立ってしまえたらいいのに…



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