優しい風
少し話した。

「ごめんね…受験勉強あるのに。」

「高橋が心配することじゃねぇよ。
大丈夫。
俺の心配より、もっと
する事あるんじゃねぇのか?」

「…そうだね。
ここんとこ、毎日来てる。
ママが行くなって止めるけど
振り切ってきた。
行って、顔見せたら
良くなるんじゃないかって
いつも心で思ってるし、
ここ来たら必ず祈るようにしてる。
希望は捨てたくないけど、
やっぱり嫌な予感は取れないの。
怖いな。」

「しゃあねぇよ。
不安なのは誰だって一緒だ。
嫌な考えは頭振って
払っちまえ。」

「うん…。」

「愁は絶対大丈夫。
希望捨てんな。」

私は力強く頷いた。
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