優しい風
やがて、俺が切り出した。

「杏…ちょっと聞いて欲しい。」

「何?」

「俺…また今度
入院しなくちゃダメなんだ。
今度は長いかも。
だけどちゃんと戻って来る
つもりでいるから。
だから、待ってて。」

「…解った。
寂しいけど、
お見舞いはちゃんと行くから。
毎日行くから。
…だから、ちゃんと戻ってきてね。
約束よ。」

「あぁ…約束する。」

俺達は誓いのキスを交わした。
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