エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「私、紅葉のそういう前向きなところ好きだな。……そうだね、お兄ちゃんだって家庭を持って子供ができれば変わるかもしれないし! なにかあったら私がついているからね」

「そうだよ。私には由香里っていう強い味方がいるんだから」

「任せておいて! 私は円城家を出た人間だからね。怖いものなんてなにもないし、文句でもなんでも言ってあげる」

 自分の胸を叩いて言う由香里の姿に、思わず笑ってしまった。

 そうだよ、マイナスなことばかりじゃない。結婚したらいいことだって必ずあるはず。どんなに小さな幸せでもかき集めたら大きな幸せになると信じて、久次さんと結婚することを受け入れよう。

 それから由香里の惚気話や大学時代の話で盛り上がり、場所を移動して十八時過ぎまで話に花を咲かせた。


「卵と醤油は買ったし、他に買い忘れはないよね」

 帰りに寄ったスーパーの帰り道、エコバッグの中を確認しながら今晩の夕食について考える。

 たしか豚肉と玉ねぎがあったから、生姜焼きにしようかな。お味噌汁は半端な野菜を使って、あと冷蔵庫にあるおかずも食べちゃわないと。
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