エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 ここまで感情を露わにする木嶋さんを見るのは初めてだ。それだけこのふたりには、気を許しているってことだよね? ふたりは木嶋さんの友人?

 気になって様子を窺っていると、私の視線に気づいたふたりはにっこり微笑んだ。

「初めまして紅葉様。俺は静馬とは警察で同期だった安藤(あんどう)卓也(たくや)です」

「俺は静馬と幼なじみで腐れ縁の皆森(みなもり)勝雄(かつお)と申します」

 ふたりはそれぞれ私に名刺を差し出した。

「ありがとうございます」

 受け取り見ると、安藤さんは警視庁捜査一課の刑事さんで、皆森さんは国税局職員だった。

 ふたりともすごいキャリアの持ち主で、名刺を見て目を白黒させてしまう。

「さて、自己紹介も終わったところで場所を変えて本題に入ろうか。いいよな? 静馬」

「静馬、事情を知られた以上、すべて話して協力を求めたほうがお前も動きやすくなるし、紅葉様も守りやすくなるんじゃないのか?」

 ふたりに言われ、木嶋さんは唇を噛みしめて苦悶の表情を浮かべた後、小さく息を吐いた。

「そうだな、お前たちの言う通り紅葉様にもすべて話すべきだ」

 そう言うと木嶋さんは真っ直ぐに私を見据えた。

「事の大きな話になりますが、どうか最後まで聞いてくださいますか?」

「はい、もちろんです」

 なにが真実なのかちゃんと知りたい。たとえ、どんなことだろうとしても。

 それから私たちは場所を移し、三人から驚愕の事実を聞かされた。
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