エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「私にできることがあれば、ぜひ協力させてください」

 意外な返事に、卓也と勝雄は歓喜して互いに見つめ合った。

「本当ですか!? ありがとうございます!」

「やったな、静馬! 紅葉様が協力してくれるなら証拠を掴むチャンスがうんと増えるぞ」

 喜ぶふたりの横で俺は紅葉様に確認した。

「本当によろしいのですか? 証拠を掴むためには円城の本宅に潜入するしかありません。つまり円城久次と会っていただくことになるんですよ?」

 あんなに傷つけられたんだ。今さっき、一ヶ月後の食事会までに婚約破棄をしたいと言っていたのに……。

 だけど紅葉様の意思は固いようで、「大丈夫です」と言う。

「それに事情を聞いた以上、久次さんたちとこのまま婚約破棄して終わりとはいきません。木嶋さんたちの見解が当たっていたとしたら、なにをするしかわからない人ってことですよね? このまま婚約破棄を申し入れたら父にも危害が及ぶ可能性があると思います」

「それは……」

 紅葉様の言う通りだ。本当に父を殺害して兄に脅迫文を送っている犯人が円城守ならやりかねない。
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