エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「なにより私が木嶋さんの力になりたいんです。お願いです、どうか協力させてください」

「紅葉様……」

 彼女の気持ちが嬉しくて、胸が熱くなる。

 そんな俺の気持ちに気づいたのか、卓也と勝雄は生温かい目で俺を見てくる。

「よかったな、静馬」

「紅葉様、お前の力になりたいんだってさ」

 茶化してくるふたりに、俺の頬は熱くなり、紅葉様もまた耳まで真っ赤に染めた。

「おい、いい加減にしろよお前ら」

「はいはい、嬉しくて照れているんだよな」

 軽くあしらう勝雄に殺意さえ芽生える中、紅葉様は慌てて口を開いた。

「あの……! ひとつお願いがあるんです」

「なんでしょうか?」

 聞く態勢に入った俺たちに、紅葉様はこの話を由香里様にも伝えてもいいかと尋ねてきた。

 これには俺たちは驚き、互いに顔を見合わせた。

「えっと、紅葉様? あの、由香里様には酷な話ではないでしょうか?」

 言いにくそうに伝えた卓也と同意見だ。実の父が犯罪者、それも殺人犯かもしれないだなんて聞きたくないはず。
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