エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
 北海道なら自然も豊かで、勤め先も支店ということもあって仕事量も多くないという。最愛の母の親戚との関係も良好で父にとって体力を回復するのに最適な場所だろう。

 だけど本音を言えば、やっぱり寂しい。
 
 空港に向かう前に父は寄りたい場所があると言い出した。向かった先は母が眠る墓前。父は十分以上母に向かって手を合わせていた。

 母が亡くなってからは悲しみに暮れ、必死に働きながらお金を返し続けていた。それから程なくして父が倒れてしまい、まともにふたりで暮らせていない。

 もう両親と三人で楽しく暮らすことは叶わないけれど、せめて父とは少しでもいいからそんな日々を過ごしたいと思っていた。

 でも父は父なりに考えて結論を出したんだと思う。元気になったら親戚の経営する牧場の手伝いもして、一日でも早く借金を返すとやる気で満ち溢れていた。
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