エリートSPはウブな令嬢を甘く激しく奪いたい~すべてをかけて君を愛し抜く~
「私はひとりっ子だったので、兄妹に憧れがあって……。ふたりで旅行とか羨ましい話です」

 木嶋さんが饒舌に自分の話をしてくれるのが、たまらなく嬉しい。

「今では私も兄弟がいてよかったと思いますが、幼い頃は逆にひとりっ子に憧れていたんですよ」

「そうなんですか?」

 仲がいいって言っていたのに、どうしてだろう。

「兄は本当に優秀で、なにかにつけて周りからは比べられてきました。それがたまらなく嫌で、兄弟なんていらないと思った時期もありました」

 私は兄妹がいたら毎日が楽しいだろうなって単純に考えていたけど、いたらいたで大変なこともあるんだ。

「しかし両親は兄と私を比べることなく、変わらない愛情を注いでくれました。そのおかげで兄を嫌うことはありませんでした。……私と兄を比べた親戚たちは嫌いになりましたがね」

 含み笑いを浮かべる木嶋さんだけれど、私だって彼の立場だったら親戚のことを嫌いになりそう。きっと木嶋さんのご家族も素敵な人たちなんだろうな。
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