冷徹御曹司は過保護な独占欲で、ママと愛娘を甘やかす
「こういったことに慣れている様子ではないな。二十五だったか。まさか、初めてというわけじゃないんだろう」
「初めてではありませんので、お気遣いはいりません」

男性とこういった行為をするのは大学時代の恋人以来なので、かなり久しぶりで、彼が気に入るようにできるかわからない。だけど、いいのだ。

どうせ、彼にとってはたったひと晩の慰みと気晴らし。
それが私にとって、一生大事にしたい思い出でも関係ない。

ベッドにおろされ、私の上には四肢をついて覆いかぶさる彼がいる。
覚えておこう。この人の香り、表情、全部。私をどう抱いたか、すべて記憶して、死ぬまで大事にしよう。

「嫌なら、途中でも言ってくれ」

そう言って豊さんの唇が私の唇に重ねられた。
ムスクの香りが今までで一番濃く香った。



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