あなたには帰る場所がある。だから、愛しているとは言えない。
まだ妻との離縁が確定したわけではないけれど、へき地の任務はまるで独身の頃に戻ったようにアイザックの心は軽かった。
そんな中、出会ったのが同僚騎士のミリーだった。
黒髪をポニーテールに結んだ彼女はとても優秀で生真面目な女性だった。
妻だったマリーンとは全く違った雰囲気をしていた。
普段はきりっとしているけれど、時折弱い一面を見せてくる彼女が可愛くてしょうがなかった。
とにかく仕事での相性がパーフェクトに良かった。
任務をしていく中で信頼関係は築き上げられていって、どんどん彼女に惹かれていった。
だけれども、自分はまだ妻と完全に離縁出来ていない身だ。
彼女への思いを理性で抑えつけようとしたけれど――。
ある時酔った彼女が自分にだけ心の内を明かしてくれた時に、溢れ出す想いを我慢することが出来なかったのだ。
離縁が確定したわけではない。
だが、妻マリーンはバッシュ先輩を愛している。
離縁状だって置いてきているのだ。
「行かないで――アイザック」
ミリーの言葉で、アイザックの理性は瓦解した。
そうして――溢れ出した想いのままに、貞淑なミリーの身体をアイザックは貪ったのだった。