お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
「それはそうだよ、自分からお前を捨てたなんて言うやつがどこにいるんだ」

この時、私は神野さんを信じきれなかった。

東洋さんの言うことが本当に思えてしまったのである。

病室で一人寂しく、神野さんを信じきれなかったにも関わらず、忘れることは出来なかった。

神野さん、あのキスは嘘だったんですか?

私と会えなくなることを嫌だと言ってくれたことは嘘だったんですか?

東洋さんとの婚姻届にサインするなと言ってくれたのは嘘だったんですか?

私は神野さんが好き、でもその気持ちは迷惑ですか?

その頃、俺はまりかに対する自分の気持ちに気づき始めていた。

俺はまりかといると心地よい。

一人でいた時と比べると、まりかとの時間は違和感がない。

一緒にいる方が気持ちが安定している。

そして、まりかがあいつの側にいることに、苛立ちを感じている。

これは俺がまりかを愛していると言う気持ちなのか。

俺はまりかを奪い返すと心に誓った。

あいつなんかに渡してたまるか。

まりかは俺のものだ。
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