あきれるくらいありふれたこと
「はっ。やっぱりな。とうとうやったか。
毎晩仕事だって言ってたけど変に浮わついてたもんな。」

「失礼ですが、伊藤さんとの関係は?」

「一応、婚約者。来月結納予定だったけどね。」

「では、同席頂いたほうが良いですね。」


この間、夫は一言も口をきかなかった。
私は兎に角一気に話を進めたかったから話を進める。


「先ほどもお伝えしましたが、薬を服用済みですので夫の子供を妊娠する事は有りません。
私は現在妊娠中です。
同じ学年の異母兄弟を子供に持って欲しく無かったためです。

伊藤さんが毎日夫に相談が有ると誘って帰宅が遅いため妻の私には相談する時間が貰えません。
悪阻も酷く、精神的に不安定で友人が心配して心療内科に付き添ってくれました。
何故? 伊藤さんには時間を割くのに私は病院にも付き添って貰えないんでしょう?

夫と伊藤さんには慰謝料を請求します。
夫とは離婚に向けて話を進める予定です。

アキ?さんも婚約中との事ですので慰謝料含め検討されてはいかがでしょうか。
勿論、会社へも報告して会社へも慰謝料請求するつもりです。」

「えっ? 会社に慰謝料請求?」

「はい。残業がこんなに多いため夫婦関係が壊れたんですから。
当然でしょ。
もし、二人が不要な残業をしていたのだったら注意するべきです。
私には仕事だと言われてしまうと分かりませんから。」
< 10 / 15 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop