素敵な天使のいる夜にー4th storyー
ーside 大翔ー


「ゆっくり休むこと。」


沙奈はそう約束してくれたけど

きっと心の奥底には悔しい気持ちがあるはず

その気持ちは支ていきたい。

ずっとこの実習のために頑張る姿を見てきた。

だけど…

ここで止めなければ取り返しがつかないほどの後悔に駆られる気がした。

それはきっと本能から来る大切な人を守りたいという思い。

俺の我儘かもしれない。

沙奈が全てを受け止めきれるかは分からない。

それでも彼女が無理をする姿を見たくなかった。

顔色からも診察からも正直今の状態を維持することはできないと思った。

これ以上悪化することになれば再び命の危機に立たされる。

それがもう目前としていた。


沙奈の部屋を後にしてから医局へ向かった。

医局で仕事をしていた紫苑に沙奈の状態を伝える。

「そうか。大翔、ありがとう。

沙奈を思って実習を止めてくれて。」

「あぁ…。

今このタイミングで実習を止めなければ取り返しのつかないことになるって思ったんだ…。

考えすぎかもしれない…

俺の独りよがりかもしれない。

でも、もうこれ以上は無理をさせられなかった。」

「大翔だからこそ、沙奈を止められたんだと思う。

大翔が言う、その取り返しのつかないことっていう勘はちゃんと働いていると思う…。

高校の時から、大翔の働く勘は怖いほど当たるからな…。

だから、ありがとう。俺も、翔太も大切な妹を病気で失わずにすんだよ。」
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