金の草鞋を履いてでも…
どうして、あんなに酷い先輩だった私と、また会えるのを楽しみだなんて言えるんだろう?

私だって…今の森川になら、また会いたいと思う。

そんな現金なこと、口が裂けても言えやしないけれど。

昔ほどではないものの、今日も結局は、素っ気なくしてしまった。

森川だと気付かなかった時点では、にこやかに接していたのに。

それにしても、森川の存在にやたら心が揺れてしまうのは何故?

大学時代の彼との遠距離恋愛に疲れ、破局して間もないせいだろうか。

余計なことを考えるとキリがないので、シャワーだけ浴びると、さっさと横になった。
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