金の草鞋を履いてでも…
いつも通り、他愛ない話をしながら、二人して歩き続ける。

私たちが住んでいるのは、割と中心地のほうだが、飲み屋街以外は、歩行者などほぼ皆無だ。

前に森川が教えたくれたように、中心地ほど人が少なく、郊外にばかりいろんな店が増え、人口も増えているからである。

「最近、朝晩は涼しくなってきたね」

「先輩、いつも何着て寝てるんですか?」

「何も着てないよ」

「えっ!?」

「あれ?言ったことなかったっけ?寝るときは裸だって」

「聞いてませんよ!やば…鼻血出そう…」

「とは言っても、もう少し涼しくなったらジャージ着て寝るけど」

「なんだか…イキナリ色気なくなりますね」
< 56 / 67 >

この作品をシェア

pagetop