金の草鞋を履いてでも…
「僕、先輩の隣の席なんですか?初日からラッキーです!」

やはり、そのあざとさは変わらないかもしれない。

露骨に自分を嫌っていた者の隣でラッキーなんて、普通は思わないだろう。


そうは言っても…。

今の森川は、昔の面影が全くない。

長身で手脚が長く、恐らく細マッチョと思われるスタイルの良さ。

サラサラの髪に、爽やかな笑顔。

本音を言うと…私にとって、どストライクである。

認めたくはないが。

それに…いくら、どストライクてあろうと、過去にあれだけ毛嫌いして冷たくした相手に対して、今さら態度を180度変えるなんて、出来る筈もない。

私は、決して性格がいいとは言えないだろうけれど、流石にそこまで身勝手ではないつもりだ。
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