金の草鞋を履いてでも…
「ところで先輩」

「何よ?」

自然にしたいのに、今の森川の前では、どう振る舞うべきかわからなくなる。

「課題図書、“リカ”ですけど、先輩もリカですよね!」

「なっ…!」

いちばん言われたくないことを、よく響く声で言われ、返す言葉が咄嗟に出てこない。


そんなやり取りを聞いていた周りのメンバーたちが、

「早月さん、新入りさんと知り合いなの?」

「へぇ…名前、リカだったんだ。あ、そういや名札にも書いてあるね」

わらわらと集まってくる。



やれやれ…。

今回は、何だか疲れる読書会になってしまった。
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